『イラク日本人人質事件』。
AM4時。
バグダット近郊でみつかった遺体が
香田さんの可能性が非常に高くなってきた、
というNEWSがやってる。
確かに今回は本人も危険なのを分かって旅しに行ったわけで、
前の2名や3名とはちょっと違うかもしれないけれど、
殺されていいはずはない。
そりゃあ、殺されない保障もないのに、
反対を押し切って行ったのだから
酷い言い方なら「自業自得」になってしまうのかもしれない。
でも、何より考えると胸が痛むのは、親御さんの気持ち。
流された声明ビデオを見てどんな心境だったかと思うと。
ずっとテレビでしか見たことのない、画面の悪いイラク語、
覆面の男たちの前にさらされているのが、
紛れもなく自分の息子であるのを見たら・・。
やっと訴えかけることができたばかりなのに。
届くはずもない。
そんな事を彼らが聞く余地もない。
何をしたら最善か、偉い人があれやこれやと慌てるうちに、
呆気なく命は奪われる。
学者さんの分析で
「これまでのパターンから考えますと・・・
期限を過ぎてすぐに殺すことはないから安全だろう」
というのもあったけれど、
そんな理論立ても、彼らにはもちろん通用しない。
いまの日本という平和かぶれな所にいる私には、
何が何だかわからず混乱するばかり。
「何が彼らをそうさせるのか?」
「落ち着いて交渉が必要だ」
なんて考えても、そんなの通用しない。
もうひとつ、人質をとる他の代表的な脅威、
自爆テロ。
信条をつらぬくために、
自分の身を文字通り「粉にする」なんて、
並大抵なものじゃない。
少し洗脳などをされてもそんな事普通できない。
一生を、自分にとってのムーヴメントを、
たった一回の爆破で終わらせるなんて。
それが目指す唯一のゴールだなんて。
「TIME」で、
父親”兼”自爆テロリストの男の話を読んだことがある。
ひしひしと、本人の考える意義、必死さ、
いろんな信条が痛いほど伝わってくるものの、
勿論「本人」たちの気持ちそのものを理解することはできない。
ただの「虐殺」でもなく「自殺」でもなく、
「殉教」。
日本人だからだろうか、恐ろしいほど理解ができなくて悔しい。
家族をも省みず、というわけではない。
意義がある、家族のためにもなるんだって深く信じてる。
ああもう、人質も自爆も、
どちらの心情も察することは不可能だからやめる。
でも誰もが必死すぎる。必死、というまさに文字通り。
これほど、この言葉の意味が明確になる状況はない・・
そして日本は何をして行くんだろう。
何処へ向かってしまうんだろう。
不安で、仕方ない。
人を守る必死さも、国民の希望へ対する配慮も、
深い悲しみも悔しさもやるせなさも、
そういう人間的なものを何ひとつ感じ取ることができない。
自己責任という言葉を、行動した人たちに対して使う
心境が知れない。
自分の判断で「やらない」人と
自分の判断で「やる」人の違いだけ。
ボールをキャッチできないかもしれないのだけれど
ジャイアンたちと仲良くしようと草野球に参加して、
やっぱり取れなくてガラスを割って、
自分だけ怒られるのび太くん、みたいなものか。
国にとっては。
そんなこと、そもそもお前には無理なんだよ。
いい加減判れよ、みたいな・・
必死で仲良くしたいだけなのに
その展開によっては非難をあびせる。
もし人質になどなってなかったら
大勢の偽善者の隣に立たせて褒めて、
とても自分にはできない、すばらしい、ありがとう、
とか言うクセに。(言い方は悪いけれど)
いろんな葛藤や自らの危険、でも可能性を信じる、
そんな心境になったことがない人が言うことじゃないのか。
自己責任だなんて。
確かに私だって、その言葉を使いたい。
今回は本当に、香田さんだって浅はかだった。
平和ボケという日本ならではの考えかもしれない。
「なんとかなる」という気持ちが致命的だった。
でも。
それが直接原因じゃない。
向こうが見てるのは、国だから。
向こうからすれば、人間一人を通して見るのは
国家のみなのだから。
行くのは自己責任。
でも囚われる、まして殺されるのは自己責任とは言い難い。
はっきり言って、いまの日本、大嫌い。
一人の人格として国を見てみると、
矛盾だらけの合わせ上手の優柔不断の、
ステレオタイプの「日本人」
そのものなんじゃないかと思う。
小泉首相の発言にも、一度たりとも納得させられた事がない。
こんな単純なコドモの私でも。
一言一言がどんなに重い役割をしているか。
熟考した事があるのだろうか。
*****
実は、家庭教師をしてる小学生の女の子の
お父さんは、自衛隊員なんです。
それも、イラクへ派遣された部隊の一員。
かなり隊では上のほう。
空港へ見送りに行くときに、
佐藤隊長の後ろで一緒にテレビに写ったんだよ、と、
そのコは嬉しそうに言う。
お父さんのクウェートからの絵はがきや、
現状を書いた手紙も見せてくれた。
かっこいいでしょ、って
すごくニコニコして話してくれたの。
(夏のおわりに日本に無事帰ってこられました)
うまく言えないんだけど、
まぎれもなく○○ちゃんのお父さん、カッコいいよ。
必死な人も、信じる人も、
突き進む人も、忠誠を誓う人もみんな、カッコいいよ。。
何が正しかったのか、
全世界共通の価値観なんてあるのかどうか、
全くわからない。
人が罪もなく死んでいいはずがない。
そんな当たり前だと思ってたこと、
もう信じちゃいけないんだろうか。
過去の罪は消せず、
人一人が国の責任を負わなければならない限り、
憎しみが消えない限り、殺し合いが終わるはずもない。
香田さんの死から私達が得る感情は?
テロへの憎しみ、それしかないだろう。
永遠に消えない。
小さな島国の中で平和を叫んでも、
こうして次々と現実を見せられて、
いつまで平和でいられるんだろう。
平和を願う気持ちは永遠に消えないけれど、
この悔しさがもっと消えてくれなくなったら・・・
と思うと、目の前が真っ暗になる。
どこかネジを一本加えれば、
すべていい方向にむかう、
みんなが幸せになれるだなんて、
そういう考えは甘ったれすぎるんだろうか。
どこかで狂ってるのが
一気に伝染して、ごちゃごちゃになってる気がしてならない。
世界の人々が信じている神様が本当にいるならば。
早く正しい世界を作ってください。
万能なんでしょう??
どうしてこんな事になるの?
誰も責められないのが辛すぎる。
必死すぎる。一生懸命すぎるんだよみんな。
一人の悪のせいでこうなっているなら、それを絶てばいい。
でもそんな人は一人としていない。
善悪、白黒じゃないんだ。
この世界は、ドラマチックな英雄伝説じゃない。
重い剣を持った勇者だらけなのが、問題なんだ。
AM4時。
バグダット近郊でみつかった遺体が
香田さんの可能性が非常に高くなってきた、
というNEWSがやってる。
確かに今回は本人も危険なのを分かって旅しに行ったわけで、
前の2名や3名とはちょっと違うかもしれないけれど、
殺されていいはずはない。
そりゃあ、殺されない保障もないのに、
反対を押し切って行ったのだから
酷い言い方なら「自業自得」になってしまうのかもしれない。
でも、何より考えると胸が痛むのは、親御さんの気持ち。
流された声明ビデオを見てどんな心境だったかと思うと。
ずっとテレビでしか見たことのない、画面の悪いイラク語、
覆面の男たちの前にさらされているのが、
紛れもなく自分の息子であるのを見たら・・。
やっと訴えかけることができたばかりなのに。
届くはずもない。
そんな事を彼らが聞く余地もない。
何をしたら最善か、偉い人があれやこれやと慌てるうちに、
呆気なく命は奪われる。
学者さんの分析で
「これまでのパターンから考えますと・・・
期限を過ぎてすぐに殺すことはないから安全だろう」
というのもあったけれど、
そんな理論立ても、彼らにはもちろん通用しない。
いまの日本という平和かぶれな所にいる私には、
何が何だかわからず混乱するばかり。
「何が彼らをそうさせるのか?」
「落ち着いて交渉が必要だ」
なんて考えても、そんなの通用しない。
もうひとつ、人質をとる他の代表的な脅威、
自爆テロ。
信条をつらぬくために、
自分の身を文字通り「粉にする」なんて、
並大抵なものじゃない。
少し洗脳などをされてもそんな事普通できない。
一生を、自分にとってのムーヴメントを、
たった一回の爆破で終わらせるなんて。
それが目指す唯一のゴールだなんて。
「TIME」で、
父親”兼”自爆テロリストの男の話を読んだことがある。
ひしひしと、本人の考える意義、必死さ、
いろんな信条が痛いほど伝わってくるものの、
勿論「本人」たちの気持ちそのものを理解することはできない。
ただの「虐殺」でもなく「自殺」でもなく、
「殉教」。
日本人だからだろうか、恐ろしいほど理解ができなくて悔しい。
家族をも省みず、というわけではない。
意義がある、家族のためにもなるんだって深く信じてる。
ああもう、人質も自爆も、
どちらの心情も察することは不可能だからやめる。
でも誰もが必死すぎる。必死、というまさに文字通り。
これほど、この言葉の意味が明確になる状況はない・・
そして日本は何をして行くんだろう。
何処へ向かってしまうんだろう。
不安で、仕方ない。
人を守る必死さも、国民の希望へ対する配慮も、
深い悲しみも悔しさもやるせなさも、
そういう人間的なものを何ひとつ感じ取ることができない。
自己責任という言葉を、行動した人たちに対して使う
心境が知れない。
自分の判断で「やらない」人と
自分の判断で「やる」人の違いだけ。
ボールをキャッチできないかもしれないのだけれど
ジャイアンたちと仲良くしようと草野球に参加して、
やっぱり取れなくてガラスを割って、
自分だけ怒られるのび太くん、みたいなものか。
国にとっては。
そんなこと、そもそもお前には無理なんだよ。
いい加減判れよ、みたいな・・
必死で仲良くしたいだけなのに
その展開によっては非難をあびせる。
もし人質になどなってなかったら
大勢の偽善者の隣に立たせて褒めて、
とても自分にはできない、すばらしい、ありがとう、
とか言うクセに。(言い方は悪いけれど)
いろんな葛藤や自らの危険、でも可能性を信じる、
そんな心境になったことがない人が言うことじゃないのか。
自己責任だなんて。
確かに私だって、その言葉を使いたい。
今回は本当に、香田さんだって浅はかだった。
平和ボケという日本ならではの考えかもしれない。
「なんとかなる」という気持ちが致命的だった。
でも。
ただ、香田さんの行動への批判には、誤解に基づくものもあると四ノ宮さんは思う。「彼はただ観光旅行に行ったように言われているが、
全く違う。『どうしたら世界は平和になるんでしょうか』などと語る純粋な若者だった。戦争というものを肌で感じて、そこから平和について考えよう
としたのだと思う。行動は無謀だったが、真実を知りたいという姿勢を僕は評価したい」と話した。
◇同級生の目には「異色の行動派」
毎日新聞 2004年10月30日 東京夕刊
それが直接原因じゃない。
向こうが見てるのは、国だから。
向こうからすれば、人間一人を通して見るのは
国家のみなのだから。
行くのは自己責任。
でも囚われる、まして殺されるのは自己責任とは言い難い。
はっきり言って、いまの日本、大嫌い。
一人の人格として国を見てみると、
矛盾だらけの合わせ上手の優柔不断の、
ステレオタイプの「日本人」
そのものなんじゃないかと思う。
小泉首相の発言にも、一度たりとも納得させられた事がない。
こんな単純なコドモの私でも。
一言一言がどんなに重い役割をしているか。
熟考した事があるのだろうか。
*****
実は、家庭教師をしてる小学生の女の子の
お父さんは、自衛隊員なんです。
それも、イラクへ派遣された部隊の一員。
かなり隊では上のほう。
空港へ見送りに行くときに、
佐藤隊長の後ろで一緒にテレビに写ったんだよ、と、
そのコは嬉しそうに言う。
お父さんのクウェートからの絵はがきや、
現状を書いた手紙も見せてくれた。
かっこいいでしょ、って
すごくニコニコして話してくれたの。
(夏のおわりに日本に無事帰ってこられました)
うまく言えないんだけど、
まぎれもなく○○ちゃんのお父さん、カッコいいよ。
必死な人も、信じる人も、
突き進む人も、忠誠を誓う人もみんな、カッコいいよ。。
何が正しかったのか、
全世界共通の価値観なんてあるのかどうか、
全くわからない。
人が罪もなく死んでいいはずがない。
そんな当たり前だと思ってたこと、
もう信じちゃいけないんだろうか。
過去の罪は消せず、
人一人が国の責任を負わなければならない限り、
憎しみが消えない限り、殺し合いが終わるはずもない。
香田さんの死から私達が得る感情は?
テロへの憎しみ、それしかないだろう。
永遠に消えない。
小さな島国の中で平和を叫んでも、
こうして次々と現実を見せられて、
いつまで平和でいられるんだろう。
平和を願う気持ちは永遠に消えないけれど、
この悔しさがもっと消えてくれなくなったら・・・
と思うと、目の前が真っ暗になる。
どこかネジを一本加えれば、
すべていい方向にむかう、
みんなが幸せになれるだなんて、
そういう考えは甘ったれすぎるんだろうか。
どこかで狂ってるのが
一気に伝染して、ごちゃごちゃになってる気がしてならない。
世界の人々が信じている神様が本当にいるならば。
早く正しい世界を作ってください。
万能なんでしょう??
どうしてこんな事になるの?
誰も責められないのが辛すぎる。
必死すぎる。一生懸命すぎるんだよみんな。
一人の悪のせいでこうなっているなら、それを絶てばいい。
でもそんな人は一人としていない。
善悪、白黒じゃないんだ。
この世界は、ドラマチックな英雄伝説じゃない。
重い剣を持った勇者だらけなのが、問題なんだ。
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