薬指の標本 etc.

2009年2月10日 読書
薬指の標本 etc.
薬指の標本 etc.
薬指の標本 etc.
結構前に、
題名と表紙の絵につられて読んだ
『博士の愛した数式』の小川洋子さんの小説。

この人の本はとにかく グッとくる題名のものが多い。
まだ題名しか知らないのが殆どだけど…。


実は微グロを期待して読んだけれど、
とんでもなかった。
でも、趣向や欲求自体がグロテスクだとは思う。
美グロとでも言うべきか。


私はこんな古びた木の匂いのする文章が好き。

この本や、
ベルンハルト・シュリンクの『朗読者』のように
偏向で異常なまでの男女間の感情
恋愛とも呼べない不思議な関係を描いたものも好き。

う~ん、他に例えが浮かばない。


そういうのって大抵、後味が良くないんだけども。
それがまたいい。そういうの大好き。

現実世界まで引きずってボーっとするのが快感。
それはもう、
生活に支障を来すほど。



…だから数多く読めないのね。
映画以上にパワーが要るかも。


+++++++

斜陽』は、あっという間に読めた。

主人公がいかにもな”女”で、
微塵も共感出来ないのが逆に興味深くて。
浮世離れしている筈なのに
俗世ずれし過ぎている面白い人。

実はかなり汚いのに、表現の流麗さでプラマイゼロ。


私にとってのメインは弟の遺書。
弟の死に際まで擦れ違い続ける二人だったのに
文面の中では紛れもない姉と弟。

ああ、姉弟って、家族ってこういうものか。
それが見えるのが死後だなんて。
この章だけでも十分濃い。
上手く言えないけれど、やっぱり凄い。



どうして今まで読まなかったんだろう?

いや
冒頭のスウプのくだりだけ、やたら覚えがある…w

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