一寸先

陽が落ちるのが怖い。
急に何もかも怖くなる。
すぐに泣ける。
いつでも泣ける。

独りが怖い。
でもずっと独りだ。
独りでもないのに。


とにかく、本当に浮き沈みが激しくて。
今日はお休みで
映画三昧で引きこもるのを楽しみにしていたのに、
夕暮れ時になって急に泣けてきて、鬱状態になって。

これじゃダメだと急いで外に出た。
ただの散歩。

しばらくはずっと泣きそうで、恐るおそる。
こんなに人がいるのに誰も私を知らない
…そんな事ばっかり考えてる、暗くなると。

あんなに何年も夜に覚醒していたのに
「精神上のために」
朝起きる生活を自分に強いてから
本当に闇が怖い。

いや、独りの闇が怖い。
正確には闇になる前の瞬間が怖い。

犬もいないし。


街は夜でも明るいけれど
本当は暗いんだと思い知ると怖くなる。

ずっと騙されていたい。
まやかしでいい。
自分は大丈夫だと思い込ませて欲しい。

今日はそんな一日。
何も無い一日。

散歩で行った商店街で
野菜を買ったり豆腐を買ったり
人情に無理やり触れてみた。

意外と悪くない。
ああ、人がいるなあって思える。

…病んでるなぁ。しみじみと。


有難いはずが、寂しさで全部台無し。
何やってんだろう、私。

青果店で買ったバナナで
明日はセロトニンを摂ろう。
鬱が悪化しないように。

心療内科の前も通って
ふと中を見ると、何だか懐かしい空気が見えた。
待合室のあの空気。

うん、
限界になったら
また扉を開けてみようと思う。


もうちょっと
もうちょっと頑張ってみようと思う。

実家から持ってきた残りの薬が
寒さからか全て容器パッキパキになってて
ちょっと焦ります。

眠剤も本当に飲んでいない。
起きられないのが怖いから。

とにかく、何の助けも借りないで
こうしていることが奇跡なんだと思うようにしなきゃ。


昨日はクリスマスの頃ぶりに過食をしたけれど
気にしない。
今日は断食なんて馬鹿なことも
再度の過食や食べ過ぎなんかもしていないから。
「普通に」食べられたから。

ホットミルクを飲んで寝よう。

大丈夫。
この夜は大丈夫。