身分証明書

2011年8月3日 日常
3日でいくらか回復した。

晴れ上がった顔と朦朧とした意識で
ぼーっと雲を見ながら地元に着いた。

途中で大粒の雨が降ってきたりして
窓の外も見えなくなったけれど
地元に着くと、今の私には眩しすぎるくらい晴れていた。


小学生の頃何度も乗ったバスで実家へ。

東京ではついに聞かなかった蝉時雨が
雨の代わりにわんわん降ってきた。
なんとなくバス停の写真を撮った。

緑緑した八重桜が覆い被さってる。
儚い薄ピンクの桜より、こっちの桜が好きだった。

小学校の桜なんて
毎年思い通りに咲いてはくれなかったもの。



3日眠り続けた。
起きてはいたけれど、眠り続けた。

体中のどこもかしこも痛かった。


既に何度か意味もなく泣いたし
それは久々に聞いたひぐらしの声のせいでもあったし
犬は相変わらずだった。

母も相変わらず。

一ヶ月ちょっと前にも帰ってきたのに
私が狂いすぎて
景色の何もかもが違っている。


久し振りに一日3度食べて
お酒も飲まず(まだ何日分もが抜けていない)。
過食もせず。

でもまだ痛い。
まだ狂いが体内に残っている。

そういえば一昨日の地震はけっこう揺れた。
狂いはしなかったけれど。



PCも開けずに、
何年ぶりかに本らしい本を読んだ。

小説は一番怖かった。
他人の頭の中に入っていって囚われるみたいで怖かった。

でも、読めた。
もう3冊も。


子どもの頃のものを眺めては
電気もクーラーも点けずにぼーっとしている。

すいかを食べて、とうもろこしを齧って
(どっちも畑で採れるとかの田舎ではさすがにないけど)
ひたすら本を読んでいた。



日中は痴呆が進んだ祖父母と犬しかいない。
この家にまともな人はいるのか。

分からない。
分からないけど、
今日は本当にいくらか楽になった。

こめかみから首から肩から背中にかけてが
比喩じゃなく凝り固まっていたのが少しだけほぐれた。

相変わらず隈は消えない。


東京にいた私は誰だったんだろう。
最後の日までよく働けたと思う。
最後、じゃないか。

あの部屋は地獄のような状態のままにしてきてしまった。
出発の朝までとうとう狂いっぱなしだった。


新しい出会いもあったし、
いろんな事を打ち明けながら食事をできる人もいるし
寂しさの面では自分でなんとかかんとか解決し始めていたけれど
…やっぱり抜け出してきてしまった。

休むと決めたから。

私は予定が狂うと狂う人間だから。

と言いながら
あまりの不調さに地元の友達と会う約束は無しにした。

ただの友達じゃないから。
複雑だから。
今はその時じゃない。
帰って翌日は、帰省の目的に反する。早すぎる。

機会がくればそれを言ってみてもいいと思う。
ただ今は
ごめんね、と言っただけ。



また本を読もう。

まだ顔が痛い。
痛くてたまらない。

今日もひぐらしが鳴き始めた。

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