空

突っ走りすぎた。

真夜中にケンカふっかけて、
殴り合いにすらなり、
頭を殴られた所で過呼吸になってぶっ倒れ
夫はオロオロするだけで救急車呼ばれた。
助け起こしてさえくれなかった事で
何かがまた吹っ切れた。

救急車で運ばれることもなく
でも夫と離され救急車に呼ばれて
散々DVを疑われ、
私から手を出したから、と庇うも
「普通は男性はやり返さないからね」
「何かあったら遠慮なく119してください」
と言われて終わった。

そうなの？


こうやって夫からだんだん卒業するんだろうか。

この人とはダメだ。とは思わないけど
この人、ダメだ。と思う事が多々ある。

もう一度信じたいのに
情けない所ばかり見せられると
それが夫婦なのかもしれないけれど
失望する。

普段私の方がちょこまかくっついてるからこそ
落差というか、落胆は大きい。

空っぽだ。この人。
何を話しても響かない
感情が見えない
無表情で殺されるんじゃないかと思う時がある

私の親にもすっかり嫌われた。
正月も、連れて行くのが億劫なのはこっちの方だった
「嫌われてるから行きたくない」じゃねーよ
どれだけ私が一生懸命庇っているのか考えてみろ
それをいとも簡単に無にされる。毎回。

受け答えすべてにガッカリする。

「娘さんをください」「幸せにします」
すら、きちんと言えていないまま。

「悪い人ではないから」では終われない。

あのまま死んでいれば少しは泣いてくれただろうか
子供がいなければ、あのまま消えていたかもしれない
夜中にパジャマで飛び出して、野垂れ死にたかった

夫の口癖の「社宅だから」なんてもうどうでもいい
どうせすぐ辞めて出ていく場所
私の居場所じゃない
周りの安定感が憎い恨めしい
昼間にこっそり出掛ける時の劣等感が痛い



床に倒れている私を、泣く子を抱っこして見下ろす夫は
子供に毛布一枚被せてくれていなかった。
「何か着せて！」と声にならない声で叫んだのに
棒のように突っ立っていた
救急隊の人が毛布を探して掛けてくれる始末

あの目を思い出す度吐き気がする

それから２週間が経って
冷たい床に放置されてしこたま風邪を引きながら
毎日独りで子供の世話して
休日は買い物して、回転寿司行って
表面上はまた仲良しに戻ったけれど
夫はこの吐き気を露ほども想像しないだろう

道徳やり直させようか
ドラマや映画で心情を読み取る訓練でもさせようか
心理テストにでもかけようか
そう思うほどに、空虚に思える

怖い


子供ばかり見てて大人は夫しかいないから
求めすぎなのは分かってる

でも
一番近い人間を心から信じられないのが辛い